旬は春。天然物は5〜6年で成魚になり、体調は0.6〜1m、8〜10㎏。寿命はおよそ30年と言われています。養殖もさかんです。2〜3年で800g〜2kgに成長させ出荷させます。
一般成分は白身魚の典型的な値を示しています。ビタミン類も適当に含有していますが、ミネラルは少ないです。バランスよく各種アミノ酸が含まれており、うま味に関与するイノシン酸が死後体内にたまりやすいために、味が非常によく、消費者に好まれています。魚の体内のイノシン酸の量と死後の分解の程度は魚の種類によって異なっており、タイの場合は死後もこのイノシン酸が分解しにくいため、鮮度が落ちても味が落ちず俗に「腐ってもタイ」と言われています。動脈硬化、視力低下、高血圧、ストレスの予防にも効果が期待できます。
タイは、頭と中落ちをどう調理するかで腕が決まるといいます。ウロコだって使えます。つまり捨てるところがない魚というわけです。頭は二つ割にして、かぶと煮、かぶと焼。中落ちは、腹骨と”サク” に切った時の端身で潮汁、鍋物に。一尾ものなら豪快に姿焼き、タイのうまみや香りを炊き込んだ鯛めし。
いかは甲がペン状のするめいかの仲間と、甲が石灰質のこういかの仲間の2種類に分けられます。日本近海で捕獲されるなかで最も多いのはするめいか(マツイカ)。発光するほたるいかは富山湾での網揚げが有名です。
長崎では夏場にケンサキイカ(アカイカ)が釣、定置網、以西底曳網で獲れます。大型のアオリイカ(水イカ)は身が厚く刺身、すし種に最適です。また両種とも高級するめの原料になります。
いかは高たんぱく質低カロリーの健康食。最近はいかのすみのがん予防効果も注目されています。いかの特徴は貝類よりも豊富なタウリンを有する点です。いかは比較的コレステロールが多いため、動脈硬化をおこしやすいと言われていましたが、実際はその逆。血液のコレステロール値を下げ、血管系の成人病を予防する優れた効果があり、さらには肝臓の解毒作用、胆石予防、神経系機能の改善などさまざまな生理効果が確認されています。。
いかは消化の良い食品ですが、お年寄りにはやわらかく食べられる気配りを。開いて縦、横に包丁目を入れたり、味付けを薄くするとよいでしょう。油で揚げるときは、身に水分が多いので油がはねることがあります。よく水分をふきとってから揚げましょう
アマダイは、江戸時代前から高級料理の素材として食されてきました。アマダイといえば本来アカアマダイのことを指します。白・赤・黄の順に生息水域が深くなり、成魚もこの順番で大きく、白60cm、赤50cm、黄30cmほどの大きさです。長崎魚市場のアマダイの水揚げは日本一で全国に出荷しています。
アマダイは白身の魚で上品な味です。水分が多くその分軟らかいですが、味に甘味があるのが特徴です。脂質は少ないのですが、3種類あるアマダイの中ではシロアマダイが最も多く、次いでアカアマダイ、キアマダイの順で少なくなり、味のよさの順位もこれに準じています。他の魚に比べて脂肪分が少ないですが、冬場のアマダイはすなずりと呼ばれる腹部に脂がのっておいしく、旬は冬です。
肉がやわらかくて水っぽく、淡白な味をしているので、普通はひと塩したものを調理します。
塩焼きや照り焼き、酒蒸しなどにも向いています。調理した後のウロコも捨てずに、みつ葉を添えたすまし汁に。ウロコをとらずに背開きにして、干物に仕立ててもよいでしょう。