「出世魚」の代表選手。稚魚から順に「もじゃこ」「いなだ(はまち)」「わらさ」「ぶり」と呼び方が変わります。九州南沖の温帯で生まれたぶりの子は群れをなして北海道の南部まで回遊し、秋に水温が下がると再び南の海に戻ります。翌年の冬頃には体長1m、体重10kgほどの親魚に成長し、腹に卵を抱えて産卵のために南下します。これが「寒ぶり」とよばれる栄養の宝庫です。魚市では養殖したぶり(4kg前後のもの)をハマチと呼び天然ものと区別しています。
ぶりは成長段階や季節によって成分に差がありますが、注目すべきは脂肪に含まれるEPA、DHAの豊富さ。特に養殖はまちの切り身には魚介類中第三位を誇る含有量があり、天然のぶりもトップクラス。
また、コレステロールの代謝促進や肝臓強化に優れた効果を発揮することで話題のタウリンが豊富です。中でも血合部には普通肉の3倍量も含まれています。
特記すべきものにパルミトオレイン酸(POA)が豊富であることがあげられます。これには脳の血管に栄養を補い、血管壁を丈夫にする働きがあるとされる成分です。
大型魚ぶりは照り焼きが人気。脂肪が多いので焼き物がベストですが、他のものに利用するときは油は少なく。身だれが早いので調理は早くしましょう。
長崎県ではトラフグの養殖が盛んです。
食用として使うのはトラフグ、ショウサイフグ、カラスフグ、マフグなどです。マフグは身肉の量は多いが、肉質はトラフグが勝ります。トラフグは卵巣、肝臓に強毒をもち、腸にも弱毒を持ちます。皮膚と精巣、肉は無毒です。
フグの旬は冬です。
フグは匂いが少ないところから昔は宮中や幕府、上流階級の行灯の油にフグの油を使用しています。フグの精巣は西施乳ともいい、中国の越の国の絶世の美女西施の乳房になぞられえて付けた名前です。
最近、フグの黒い皮が癌の防止によいことがわかり、フグの脂肪にはDHAが多く、認知症の防止、アレルギー症に効果があります。又、動脈硬化、高血圧、更年期障害、視力低下の予防、性機能の改善、等の予防に期待されます。
食べごろは冬で、12〜2月が旬です。トラフグは肝臓、卵巣に強い毒があり、必ずフグ調理免許を持っている人がさばくこと。鮮度のよすぎるものは布で包んで一晩ねかせてから使ったほうが薄造りにするときに、身が縮むことがありません。身は薄造りにし、皮は湯引きしてもみじおろしとポン酢で食べるのが一般的です。
話題のDHAとEPAの含有量が高く、特に血栓を防ぐEPAが多く含まれています。DHAは人間の脳や粘膜・母乳・精子などにも分布しており、一生を通じて摂取の必要な栄養素。アレルギー反応や炎症を抑える効果も期待できます。
豊富に含まれるカルシウムは、リンやビタミンとともに骨や歯の組織形成を助け、育ち盛りの子供や妊婦の健康づくりに役立ちます。また、抗酸化作用をもつミネラル「セレン」の含有量も多く、老化防止や癌の予防にも効果が期待できます。
稚魚を薄い塩水でゆで、七分乾きにしたものを「しらす干し」、さらに乾燥したものを「ちりめんじゃこ」と呼びます。しらす干しのカルシウム含有量は親の6〜7倍。
長崎の煮干の生産は日本一です。
価格が安くその上栄養満点の有料素材。
しらす干しは野菜とともにかき揚げにすると量がとれ、おいしく食べられます。缶詰の水煮は骨ごと利用でき、カルシウム摂取に最適。